なかなかショッキングな出来事だった。
いつもの朝、6時に起きて皆を起こさないように、Youtubeをラジオ代わりに聴きながら、乾燥機から出てきた洗濯物を畳む。
“なんかこの動画音質悪いな”
この時はまだ、動画音質か愛用のBeats Fit Proの調子が悪いだけと思っていた。
”おはよう”
7時になると家族が起きてくる。この時になって漸く自分の耳の調子が悪いことに気づく。
右耳だけトンネルにいるような響く音。
疲れが出たかな、すぐ治るかな。騙し、だまし、朝の準備を進める。
保育園の送迎も終わり8時。この日は在宅勤務なので30分で家事が進む。作りかけの椅子を見ながら、耳のことを考える。
研究室時代の同期は就活中、徹夜で麻雀をしている途中で耳が変になり、そのまま突発性難聴で入院、補聴器が必要になっていた。その時の知識として、難聴は早めに薬を飲んだ方がいい、と聞いていた。
“聞こえないわけではないしなぁ”
不安を抱えながらも午前の仕事に取りかかる。朝から会議を2件こなして11時。みるみる体調が悪くなる。頭痛、めまい。いつもの肩凝り頭痛とは明らかに違う。
会社に連絡し、午後は耳鼻科に行くことに。12時15分に仕事を終え、そのまま隣の寝室にバタン。2時間近く寝てしまった。
Tsumaからの連絡多数。申し訳なす。15時に開く耳鼻科に予約無しで並ぶため、そろそろ行かないと。体調は寝て少し回復。車で行こうと思ったが、難しそうだ。タクシーを呼ぶ。
タクシーで10分1600円。耳鼻科に到着。1時間待ちは覚悟していたが、幸い空いている。すぐに聴力検査。
ちゃんとした聴力検査は人生初めて。Zoffでメガネ作る検査と眼科の眼圧検査くらい違った。
検査の結果、左耳は全周波数で10dBが聞こえているが、右耳は中音域で15dBくらい。10dBは人間の可聴域ギリギリで、15dBは囁き声くらい。軽度の突発性難聴との診断だった。
頭痛とめまいは難聴によるもので、ステロイドの飲み薬での治療が始まった。この週は仕事を休み、治療に専念する生活が始まった。
この時はまだ、インフルエンザになっちゃったくらいのつもりだったが、まだまだ続くのである。