言葉のちから

誰かに作ってもらったごはんを食べるとき、美味しかったら美味しい!と言葉にして相手に届けること。今まであまり意識してこなかったけれど、実家を出て自分で料理をするようになると、とっても大事なことだなあと感じます。何も言わないってことは不味くないってことでしょ?と思うかもしれないけれど、やっぱり美味しかったら美味しいと言って欲しいものだよなあ、と。黙って食べられると「気に入らなかったのかな?」「味付けおかしかったかな?」と心配になってやたらと感想を求めてしまうタイプです、私は。どこかの誰かが「美味しかったら美味しいと言え!というわけではなくて、美味しいって言うことで次はもっと美味しいものが食べられるんじゃない?」と言っていたけれど、まさに、その通りだと思います。ごはんづくりに自信がつくし、食べてくれた人の「美味しい」は次回以降のモチベーションになる。明日の美味しいごはんのためにも「美味しい」は積極的に伝えたいものです。

美味しい、ついでに。私の家は、夕食や休日の朝食に一時間くらい時間をかける家庭でした。食事の時間は、母の作ったお皿いっぱいのごはんを食べながら、お酒を飲みながら、コーヒーを片手に、家族みんなでだらだらとどうでもいい話をしながら過ごすもの。当たり前だと思って育ったけれど、そうじゃないんだなあと結婚して気がつきました。とてもありがたい時間だったんだなあ、幸せな食卓の記憶をもらえたことに感謝しないとなあ、と思います。

子どもは親の背中を見て育つ。数年後、美味しいものは美味しい!と言える子でいてほしいし、みんなで囲む食卓は楽しいと思える子でいてほしい。心からそう思います。